皮膚の炎症の1つアトピーとは

意外に多い「目の周り」のアトピー

目の周りのアトピーは失明の恐れも

全身性のアトピー性皮膚炎の中でも、特に目の周りの症状が重症化している人がいます。あるいは、身体の他の部位は異常がないのに、目の周りだけにアトピー性皮膚炎を発症する人もいます。皮膚科や眼科には、この症状の相談に来院する患者も少なくないようです。悪化すると視力低下にもつながる恐ろしい症状と言われています

目の周りにできるアトピーの原因

もともとのアトピー体質に加えて、目の周りが特に乾燥すること、目の周りに負担をかけること、目の周りにアレルゲンが付着することなどが原因で、目周りに特化したアトピー症状をきたすことがあります。 目の周りに限定したアトピーとは言っても、発症してしまう人は、多かれ少なかれもともとアトピー体質です。遺伝、食習慣、ストレスなどが原因です。

加えて、目の周りに何らかの負担がかかることによって、目周りに特化したアトピー性皮膚炎が生じることになります。たとえばパソコンからの生暖かい送風を長時間目に受けている場合や、不衛生な手で目の周りをこすったりすることなどです。 また、目の周りのかゆみが気になって掻いてしまうと、ますます症状が悪化してしまいます。かゆみに対する反射的な動作そのものが、目周りのアトピーを重症化させる原因になっているとも言えます。

どのような症状か

目の周りのかゆみ、赤み、まぶたの湿疹、目ヤニなどが主な症状です。これらの症状を総称して眼瞼炎と言います。目瞼炎が悪化すると、ヘルペスウイルスによるカポジ水痘様皮疹に発展するなど、合併症を引き起こすこともあります。 目瞼炎に次いで多く見られる症状が結膜炎です。重症化した結膜炎は「春季カタル」と呼ばれます。

次いで、白内障、角膜上皮障害、網膜剥離といった発症順位となります。 通常の白内障は高齢者に多く発症しますが、アトピー性白内障は若い人でも発症します。 また、かゆみに耐えられず激しく目をこすったり叩いたりすると、網膜剥離になる恐れもあります。目の周りにアトピー症状が起こした人のうち、約2.1%の人が網膜剥離を発症しています。十分に注意しなければなりません。

対処法

長期的にはアトピー体質の改善を測る対処を、短期的にはかゆみ・赤み等を緩和させる対症療法で対処します。 長期的には、保湿、バランスのとれた食習慣、規則正しい生活、ストレスの解消などがアトピー体質を改善へと向けていきます。短期的には、ステロイド軟膏の塗布や、患部の冷却などです。 なお、医師からも説明はありますが、ステロイド軟膏が目に入らないよう、くれぐれも注意して使用してください。目に入ると、最悪の場合、緑内障になる恐れがあるためです。

長期的な体質改善を目指すうえで試みたい方法の一つに、サプリメントの継続的な摂取があります。 サプリメントには即効性はありませんが、腸内環境の改善を促したり角質層の水分量を増やすなど、長期的にはアトピー体質の根本的な改善に寄与する効果が期待できます。 実績や評判などを参考にし、ご自身に合ったサプリメントを探してみるのも良いでしょう。

アトピー性皮膚炎の眼合併症

眼の周りにアトピー性皮膚炎ができると、合併症として「アトピー性眼瞼炎」や、「白内障」「角膜上皮障害」「網膜剥離」と言った合併症を引き起こすことがあります。

 


アトピー性皮膚炎患者のなかで何らかの眼合併症がみられたのは13例(55.8%)であった(重複例を含む).眼合併症はアレルギー性結膜炎が68例(男性36例, 女性32例で28.3%に,白内障は4例(男性20例,女性 23例 )で 179%に認 めた.〜中略〜今回の調査でアトピー性皮膚炎に最も高頻度に見られた合併症はアレルギー性結膜炎であったが,アトピー性皮膚炎に合併しやすい理由として,アトピー素因による発症以外に,皮膚炎による眼瞼・角膜・粘膜の掻破などの機械的な眼部への刺激も原因と考えられている.


出典:『アトピー性皮膚炎の眼合併症-』アレルギー,43(7),1994


 

それぞれの合併症について、発症率や症状などを詳しく見ていきましょう。

アトピー性眼瞼炎

アトピー性皮膚炎で引き起こされる眼瞼炎は、眼の周りのかゆみやまぶたの湿疹、目やになどの症状が特徴の合併症です。症状がひどくなると、上下のまぶたの皮膚が硬く、分厚くなってしまいます。

また、痒くて手で患部をこすったり叩いたりすれば、眼球に圧力が加わり眼球を傷つけてしまう可能性も。黄色ブドウ球菌や、細菌感染、ヘルペスといった感染症を引き起こすこともあります。

アトピー性眼瞼炎になった場合には、目の周りを掻いたり叩いたりしないことが大切ですが、寝ている間に無意識に目をこすってしまうことも大いにありえます。

アトピー白内障

アトピー性眼瞼炎が悪化して引き起こされることもあるアトピー白内障も、特に注意したい合併症です。

白内障とは、目の水晶体と呼ばれる部分が白く濁り、物がかすんだり眩しく見えたり、二重に見えたりなど、見え方に障害が生じます。また、そのままにしておけば視力が低下してしまうこともあります。

アトピー性皮膚炎と白内障が合併する仕組みやメカニズムは詳しくわかっていないものの、目の周りのアトピー性皮膚症状が強ければ強いほど、合併率も高いと指摘されています。アトピー性眼瞼炎のかゆみにより目をこすったり叩いたりすることも原因と考えられています。

アトピー網膜剥離

目の網膜と呼ばれる部分は、カメラのフィルムのような役割を果たしている期間です。網膜が網膜色素上皮細胞と呼ばれる土台から剥がれてしまう網膜剥離は、視力の低下や視野の欠けなどを引き起こします。

アトピー網膜剥離の患者の約7割が15〜25歳の若い世代です。また、両目で網膜剥離を引き起こすケースも4割近くと言われていますから、将来の視力障害を予防するためにも、早期発見と早期治療が大切です。

周辺網膜と呼ばれる部分だけが剥がれてしまうことが多いアトピー網膜剥離は自覚症状が出にくいことも特徴の一つ。先程ご紹介したアトピー白内障と併発しているケースも多い病気です。

見え方に異変を感じたら、早めに眼科医に相談しましょう。

参考:日本眼科医会『アトピー性皮膚炎と目』(2018年1月31日確認)

アトピー性皮膚炎の眼合併症の対処・予防

長期的にはアトピー体質の改善を測る対処を、短期的にはかゆみ・赤み等を緩和させる対症療法で対処します。 保湿、バランスのとれた食習慣、規則正しい生活、ストレスの解消などがアトピー体質を改善へと向けていきます。短期的には、ステロイド軟膏の塗布や、患部の冷却などです。

眼の周りや顔にアトピー性皮膚炎ができた場合、ここまで見てきたように眼に何らかの合併症を引き起こすリスクが高いため、合併症を予防するためには定期的に眼科的な検査を受けて、早期発見と治療をすることが大切です。

また、ステロイド軟膏を使用している場合には、急に使用を中止して副作用として眼合併症を引き起こしたり、眼にステロイド剤が入ってしまい緑内障を引き起こしてしまうケースもあります。薬の使用には十分に中をする必要があると言えるでしょう。

「アトピー性眼瞼炎」の治療には、皮膚科によるアレルギー反応を抑える治療が何よりも大切です。また、「アトピー性白内障」と診断された場合には、状況に応じて通常の白内障と同じように手術を行うこともあります。

ただし、「アトピー性網膜剥離」を合併している場合には、手術が適応外のケースもあるため、注意が必要です。「アトピー性網膜剥離」の治療には、網膜が硝子体に引っ張られて剥離が進行するのをストップするために、網膜穿孔をふさぐための手術治療が必要となります。

参考:日本眼科医会『アトピー性皮膚炎と目』(2018年1月31日確認)

参考:『アトピー性皮膚炎の眼合併症-』アレルギー,43(7),1994

アトピーのかゆみを抑えるのであれば質の高い睡眠を

かゆみを抑える方法は、実にさまざまなものがあります。

しかし「あらゆる方法を試しても、眠ろうとした途端にかゆみで寝付けない…」。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

それはいまあなたが試している方法が、一時的なかゆみを抑えるものにすぎないからかもしれません。

かゆみを根本から改善するためには、かゆみで眠れなかったり、眠りながら無意識にかきむしってしまっているという「アトピー悪化の悪循環」を止める必要があります。

ここで紹介したかゆみを一時的に抑える方法は積極的に取り入れつつ、しっかりと質の高い睡眠を取り、免疫バランスを整える。

アトピー悪化の原因となる悪循環サイクルを断つことを、ぜひ同時に実践していき、効果的にアトピーを改善させましょう。

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