皮膚の炎症の1つアトピーとは

汗はアトピーの敵?味方?

汗とアトピーの関係

汗をかいた後はアトピーのかゆみが増す、という経験をお持ちの方も多いでしょう。炎症が悪化したというケースもよく聞きます。アトピーの方は、汗をかいたときにはどのように対処すれば良いのでしょうか?また、近年は、汗は決してアトピーの敵ではない、という説も有力です。その根拠はどのようなものでしょうか?アトピーと汗との関係について解説します。

なぜ汗をかかないほうが良いのか?

従来、アトピー肌の人はなるべく汗をかかないほうが良いとされてきました。その理由はたくさんありますが、中でもよく言われる理由は以下の2つになります。

  • 汗をかくと余計にかゆくなってしまう

    汗をかくと、もともとかゆかった肌が余計にかゆくなる、と言われています。汗をかく前提として「体温上昇」がありますが、かゆみは、体温が37度のときに最も強くなると言われています。

  • 汗が原因で炎症が悪化してしまう

    炎症を起こしている部分に汗が触れると、より炎症が悪化する、と言われています。汗に含まれる老廃物や菌などが、炎症部分に入り込んでしまうことが原因とされています。

以上の理由により、従来、または現在でもなお、アトピーの人の中には汗をかかないようにしている人も少なくありません。

汗によるかゆみ対策・肌のケア法

汗によってアトピー症状が悪化しないようにするためには、次の2つの方法で対処することが基本です。

  • 汗をかいたらすぐに拭く

    汗をかいたら、おしぼりなどですぐに拭く習慣をつけると良いでしょう。汗は、時に肌表面の黄色ブドウ球菌を異常増殖させる原因になります。黄色ブドウ球菌はアトピーのかゆみの最大の原因でもあるので、増殖する前に、濡れたおしぼりなどで肌を押さえるようにして拭くようにしましょう。

  • 汗をかいた服はすぐに着替える

    汗をかいた服は、可能な限り早めに着替えるようにしましょう。汗で濡れたままの服を着用していると、かゆみや炎症の原因となりうる汗を肌表面に長時間キープさせてしまうことになるからです。

ご注意いただきたいのは、エアコンで汗を乾かさないように、ということ。かゆみや炎症が悪化したり、または皮膚の落屑が起こったりすることがあるからです。

夏のかゆみ対策

アトピーの症状が悪化する時期といえば冬を想像する方が多いかもしれませんが、夏場にもかゆみが悪化することがあります。「冬場のかゆみを乗り切って春は少し良くなったと思ったのに、夏になると再度かゆみがぶり返してきて…」となるとストレスもたまりますよね。

冬場とはまた違った対策が必要になってくるので、夏場のひどいアトピーのかゆみに悩まされている方にチェックして欲しい対策などについてご紹介します。

夏にアトピーが悪化する理由

大きな原因は汗によるもの

夏場は暑い日もあり、何もしなくても汗をかくことがあります。汗をかいてそのまま放置すると嫌な汗臭さに繋がりますが、これは細菌が繁殖した事により発生しているニオイです。

つまり、汗をかいてそのまま放置すると不衛生な状態になるわけですね。当然ながらアトピー肌にとって良いものとはいえません。それだけでなく、汗で服が濡れると服に残っていた洗剤や柔軟剤の成分が肌に移ることもあります。こういった理由によって夏場にかゆみが悪化しやすいのです。洗濯をする際にはすすぎを念入りに行うこと、汗をかいたらこまめに拭き取ることを心がけましょう。

紫外線の影響

夏場にたくさん降り注いでいる紫外線は肌に刺激を与えます。健康肌の方ならばちょっとした日焼けをする程度で済むかもしれませんが、アトピー肌だとかゆみがひどくなり、じんましんのような状態になることもあるのです。

乾燥によるもの

空気が乾燥している季節といえば冬が代表的ではありますが、夏場は暑さ対策のために冷房を使いますよね。この冷房も部屋の湿度を下げる大きな原因です。

冷房をつけている部屋で肌のかゆみがひどくなる場合は加湿器を取り入れてみましょう。また、寒い室内と暑い外のように気温に大きな変化があるとかゆみが強く出てしまうこともあるため、気温差が少なくなるように上着などで対策を取るのも効果的です。

夏のアトピー肌スキンケア方法

基本の汗対策

夏場の時期に全く汗をかかずに過ごすことは難しいでしょう。そのため、いつ汗をかいても良いように肌をケアするためのアイテムを持ち歩くのがおすすめ。

アトピー肌にも刺激が少ないような汗ふきシートを常備しておくと、外出先でもさっと汗を拭き取れます。これが難しい場合は濡れタオルを容器に入れて持ち歩く方法でも良いでしょう。

アトピー肌の場合、ダニやほこりに肌が反応しやすくなっていますが、汗にも反応する方がたくさんいます。そのため、汗をかいたらすぐに拭き取るように心がけましょう。ただ、汗を拭き取る際に肌の皮脂が落ちて乾燥に繋がってしまうことがあります。肌をゴシゴシこすると皮脂も落ちやすいので、汗をさっと拭き取ったら保湿剤を塗り直すのもポイント。

外出先で汗をかいた時のために持ち歩きやすいサイズの保湿剤をかばんに忍ばせておくと安心です。かゆみが発生してからではなく、予防の目的で行った方が効果的なので試してみてはどうでしょうか。夏場は自然に汗をかいてしまうので毎回こまめに拭き取るのは大変なことですが、できる範囲で行いましょう。

また、アトピー肌だと様々な刺激を肌ストレスに感じがちなのですが、汗で金属のアクセサリー類が肌に密着するなど、これも大きな原因になることがあります。ネックレスやブレスレットなどが密着していたところにかゆみを感じる場合はアクセサリーが原因の可能性も疑ってみましょう。帰宅後はシャワーを浴びるなどしてしっかり汗を流すのもポイントです。

夏バテにも注意が必要

アトピー肌はただでさえ肌のバリア機能が弱まっている状態です。ちょっとした刺激も肌が負担に感じてしまうことがあるのですが、このような状態で夏バテになると更に状態が悪化することもあるので注意しておかなければなりません。

夏バテしやすい方は普段から睡眠を十分にとり、食事内容にもこだわってみましょう。暑いからといって冷たいものばかり飲んでいるのも夏バテに繋がる原因です。夏バテで食事が喉を通らないこともあるかもしれませんが、その場合もタンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく食すことにより夏バテの予防効果が期待できます。

また、汗がアトピーのかゆみを悪化させることもあり、夏場はできるだけ汗をかかないように注意している方もいるのではないでしょうか。ですが、汗をかくという行為は体温を調整するために欠かせないものです。汗をかかない生活を続けていると体内の血行が悪くなり、老廃物も蓄積されてしまいます。

汗によってかゆみが悪化するのが怖い場合は、家に帰ってからゆっくり半身浴で汗をかくなどの対策を取ってみましょう。こうすることにより適度な汗をかけるだけでなく、すぐにお湯で流せるので汗が原因でかゆみが悪化する心配もありません。

汗はアトピーの敵ではない?

近年、アトピーの人は汗をかくべき、という従来とは真逆の主張がよく見られます。むしろ、こちらのほうが主流になりつつあるのではないでしょうか。この主張の根拠は、主に2つあります。

  • 体温や皮膚温度を下げる

    汗をかく前提に「体温上昇」がありますが、実際に汗をかくと、やがて汗の水分が蒸発するときの気化熱の影響で体温や皮膚温度を下げることになります。

  • 肌がうるおう

    汗をかく際に、水分が角質層に補給されて肌にうるおいを与えます。うるおいはアトピー症状を改善させるための基本です。 また、肌がうることによって低下していたバリア機能が回復し、外部の刺激から肌を守ります。

汗は、一時的にはアトピーの症状を悪化させることもありますが、その一時をしのげば、逆に症状の緩和する可能性もあります。個人差はありますが、汗は、アトピーの敵ではないのかも知れません。

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