アトピーのかゆみを緩和し良質な睡眠へ

睡眠を促すセロトニン

睡眠に関わる大事な物質「メラトニン」と「セロトニン」の関係性

睡眠に大きくかかわっている脳内物質に、メラトニンとセロトニンがあります。メラトニンは睡眠を誘導する物質。セロトニンは精神を安定させる働きのある物質。いずれも睡眠に深く関わっているとされています。ここでは、アトピーで眠れないという方々のために、睡眠の基礎知識としてメラトニンとセロトニンの詳細について解説します。

睡眠ホルモン「メラトニン」

メラトニンとは、脳の松果体という部位から分泌されているホルモンのこと。睡眠へと誘導する働きがあることから、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンの主な働きは2つ。副交感神経を優位にさせる働きと、体の深部の温度を下げる働きです。

  • 副交感神経を優位にさせる働き

    人間の自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。緊張したり興奮したりしている時は交感神経が優位になり、安心したりリラックスしたりしている時は副交感神経が優位になります。
    メラトニンが分泌されると、副交感神経が優位になり精神が安定。睡眠へ向け、心がリラックスした状態となります。
  • 体の深部の温度を下げる働き

    人は、徐々に体温を下げながら眠りについています。お風呂に入った後に眠くなるのは、急激に上がった体温が徐々に下がっているからです。
    メラトニンには、体の深部の温度を下げて体を眠りへ誘う働きがあります。

これらの働きを見るだけでもメラトニンと睡眠の関係性の深さが良く分かります。なおメラトニンには、夕方に分泌が始まり、深夜に分泌量のピークを迎え、朝に分泌が終了する、といったサイクルを持ちます。以下のページでは、より詳しいメラトニンに関しての情報を紹介しています。

安眠に導く睡眠ホルモン「メラトニン」とは

セロトニンを活性化することでメラトニンが増える

睡眠を知るうえで、メラトニンと並んで理解しておきたいのが「セロトニン」です。セロトニンとは、ドーパミンやノルアドレナリンと並んで、三大神経伝達物質と称されるホルモンの一つ。いずれのホルモンも、人の精神状態に大きく関わっている物質になります。

人は喜びや快楽を感じているとき、ドーパミンが大量に分泌されています。一方、不安や怒りを感じているとき、ノルアドレナリンが大量に分泌されています。これら2つの物質のうち、どちらか一方が過剰に分泌されている状態だと、精神の安定を保つことができません。そこに登場するのがセロトニン。セロトニンが分泌されることで、ドーパミンやノルアドレナリンの過剰分泌を抑制。極端な喜怒哀楽の感情を抑え、精神を安定的にしてくれるのです。

セロトニンの役割はこれだけでなく、夜になると睡眠に大きく関わる物質へと変化します。

セロトニンは夜になるとメラトニンに変化する

前述した睡眠ホルモン・メラトニン。実は、セロトニンは夜になるとメラトニンへと生まれ変わるのです。つまり、日中にセロトニンが多く分泌されていればいるほど、夜に分泌されるメラトニンの量も増えるのです。夜にぐっすり眠るためには、たくさんのメラトニンを分泌させる必要があり、そのためには日中により多くのセロトニンを分泌させる必要があるということなのです。

セロトニンの役割とは?

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれていて、心身のコントロールにも影響を及ぼすものです。その役割についていくつか紹介します。

  • 脳内の神経物質のバランスを取り落ち着かせる…
    セロトニンは神経伝達物質の一種で、怒りや不安、悲しみなどによって増える物質を抑えて、感情を落ち着かせてくれます。感情の浮き沈みは血圧や心拍数にも影響してきますので、神経物質のバランスを整えて冷静にする働きはアトピーの症状にも関係しています。 アトピー性皮膚炎の方は、イライラして皮膚のかゆみが生じることも多いですので、セロトニンの働きによって心身が落ち着いてかゆみを抑えることにもつながります。
  • 自律神経のバランスを整える
    自律神経は無意識に働く神経で、生命維持に欠かせない内臓や器官などの機能を調整してくれるものです。ストレスや生活リズムが乱れると自律神経も乱れて、免疫力も落ちてしまい、アレルギーやアトピーなどの症状も悪化してしまいます。
    セロトニンは活動している時に働く交感神経と休んでいる時に働く副交感神経のバランスを正常に戻してくれます。そのため寝つきやすくし、アトピーの症状緩和にも役立ちます。

セロトニンを増やす方法

セロトニンを増やすためには、以下の3つが有効だとされています。

  • 朝日を浴びる
    朝日を浴びることによって体内時計がリセットされると、セロトニンの分泌量が増加します。厳密に言えば、朝日に限らず「光」であればセロトニンは増えるといわれています。天気の悪い日であっても、部屋の蛍光灯などで同様の効果は得られるとされています。なお、体内時計を効果的にリセットするためには、特にヒザの裏側に光をあてると良いといわれています。
  • 日中は運動をする
    日中の運動によっても、セロトニンの分泌量が増えると言われています。運動といっても、スポーツのような激しい運動をする必要はありません。エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用する、または時間に余裕のある時には移動を歩きに変えるなど、軽い運動でも十分に効果は得られます。
  • 腸内環境を整える
    セロトニンは主に脳内で分泌される成分ですが、実はその多くが腸内などの消化器官で作られているといわれています。 もちろん、セロトニンは脳内でも合成されているのですが、その材料となる必須アミノ酸の「トリプトファン」は、腸内でたんぱく質を分解して作られるのです。つまり、いくら良質なたんぱく質を摂っても、腸内の環境が悪いと吸収しにくく、セロトニンが作られにくくなってしまうのです。そのため、セロトニンを増やすためには腸内環境を改善することが欠かせないのです。腸内環境にはストレスが深く関わっており、強いストレスを感じていると下痢や便秘などの異常が現れることからも広く知られています。食生活を整えて腸に良い食べ物を摂取することも必要ですが、日々のストレスを緩和させるような生活習慣も、腸内環境の改善には必要になってきます。

腸内菌を増やすには?

腸内環境を整えるには、乳酸菌や発酵食品などを積極的に摂取して腸内の善玉菌を増やすことが必要です。

腸内にはビフィズス菌などの善玉菌が存在しますが、セロトニンの材料となるトリプトファンにはビタミンB群の働きも必要であり、ビタミンBはこういった善玉菌が作り出しています。

また、善玉菌を増やすためには、そのエサとなる食物繊維を摂ることも効果的です。

腸内環境を整えるには、食生活を改善することも重要ですが、生活習慣を整えてなるべくストレスを溜めないような工夫も必要です。ストレスや生活習慣の悪化などによって自律神経が乱れると、腸の働きが鈍くなってしまいますので、せっかく増やした善玉菌も活躍しにくくなってしまいます。

セロトニンの関係を知り良質の睡眠を

アトピーのかゆみによる睡眠障害は、体内時計を著しく乱し、セロトニンの分泌の妨げとなりえます。かゆみといった直接的な原因の他にも、セロトニンの減少が不眠の悪循環を招く可能性もあるのです。

アトピーで眠れないという状態でまず大切なのは、自分に合った方法でかゆみ対策をすること。

それと並行し、いかに日中にセロトニンを増やすか、夜に眠れる環境をどのように作るかを意識的に行なっていきましょう。 

アトピーで眠れない人の睡眠対策をもっと知る

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