ひどいアトピーのかゆみを抑える方法

1まずは、かゆみの原因を知る

まずは、かゆみの原因を知る(イメージ)

アトピー性皮膚炎の最大の症状は我慢できないほどのつらいかゆみです。このかゆみが治まらない限り、かく→症状がひどくなる→かくという悪循環を断つことはできません。

また、かゆいと気になって夜も眠れなくなり、生活の質を低下させてしまい、多くのストレスを引き起こしてしいます。そして、ストレスが溜まるとさらにかゆくなってしまうのです。

この悪循環から抜け出すために、かゆみのメカニズムを知って少しでもアトピー緩和の対策をとっていきましょう。

かゆみ悪化の原因を知っていますか?

頭では「掻いてはいけない」と分かっていても、痒くなるとどうしても掻かずにはいられなくなってしまうのがアトピーのかゆみ。

特に、夜になって緊張から解放されると、そのかゆみは一層強くなります。

多くの方が睡眠時にかゆみに関する悩みを抱えていると言われていますが、実は、これがアトピーのかゆみ悪化に深く繋がっていることをご存知でしょうか?

知らないうちに、「眠りの質」がかゆみ悪化の原因となっている可能性があります。

寝ている間の掻き壊しが睡眠の質の低下に

睡眠中に無意識に掻いてしまうことで、知らず知らずのうちに睡眠の質は低下し、しっかり寝ているつもりでも、浅い睡眠しかとれていません。

本人は「眠れている」と思っているので、中々気づきにくいのですが、知らないうちに免疫力の低下につながり、かゆみの悪循環に陥ってしまっています。

睡眠時のかゆみと向き合うことは、アトピーのかゆみを根本から見直すために、とても重要なことなのです。

深い眠りを取り戻すためにかゆみを抑える

十分な睡眠が取れるようになれば、免疫機能のバランスも次第に整い、アトピーの更なる悪化を食い止めることができます。

アトピーの症状が緩和されることで「かゆみ」も弱まり、睡眠中に無意識に掻くことも無くなって、本当にぐっすり眠れるという好循環に転換するのです。

それでは、実際にかゆみを抑える方法を見ていきましょう。

かゆみの原因とメカニズム

かゆみは、大切な皮膚の感覚のひとつ。かゆみは皮膚の表面でのみ感じるものなので、体内にある臓器では感じ取ることができません。その理由は、かゆみを感じる神経が皮膚の表面に分布しているからです。

皮膚炎が起こると、ヒスタミンなどのかゆみを引き起こす物質が分泌され、かゆみを感じる神経の一部と結合することで「かゆい」と感じるのです。かゆみがひどくなると引っ掻いて皮膚炎が悪化し、かゆみもさらに増して、また引っ掻いてしまうという悪循環を招いてしまいます。

生活の質が低下することで、ストレスがたまり、さらにかゆみが増幅するという最悪のケースに至ることもあるのです。

かゆみを引き起こすヒスタミンとは

ヒスタミンは肥満脂肪と呼ばれる細胞が刺激されることにより分泌され、痛みやかゆみをつかさどる「知覚神経」に作用し、脳にかゆみとして伝わります。

また、このかゆみの刺激は、神経ペプチドといわれる神経伝達物質を放出させ、肥満脂肪をさらに刺激。ヒスタミンの分泌が繰り返されることで、かゆみの悪循環が引き起こされます。

皮膚の乾燥・ドライスキンや生活の質もかゆみの原因に

生活習慣による体内環境の悪化や免疫力の低下などでもかゆみは引き起こされるとされています。

また、これらは正常な皮膚機能を阻害し、肌が乾燥する原因にもなります。水分や油分の失われた肌はバリア機能が失われ、刺激やアレルギーといった外的要因に対しても敏感に反応し、かゆみといった症状としてあらわれるのです。

アトピー性皮膚炎ってそもそもどんな症状?

アトピー性皮膚炎はアレルギー症状のひとつ。かゆみが起こるのは、皮膚のアレルギー反応を促す「IgE抗体」が増えるからとされています。

本来は異物を排除する役割のあるIgE抗体も、アトピー性皮膚炎である場合には「真皮内」に作られ、肥満細胞が刺激され、激しいかゆみを引き起こします。

この状態で肌をかくことで、かゆみの原因であるヒスタミンをさらに誘発させ、かゆみが繰り返されるという症状なのです。

アトピー性皮膚炎のかゆみの特徴

アトピーのかゆみで特徴的なのは、「かゆみ敏感状態」となってしまうことが良く知られています。

たとえば、一般的な人であれば何でもないほこりといった、軽い刺激でも簡単に反応し、かゆみが増幅されてしまうのがアトピーのかゆみの特徴なのです。

また、前述したように、かくことで更にかゆみの増す「かゆみの悪循環」にも陥りやすく、アトピー性皮膚炎である場合には、痛み刺激によってもそのかゆみは抑制されません。そのため、痛みを感じてもかゆみが強くかいてしまう、といった症状としてあらわれるのです。

アトピーの難治性かゆみとは?

アトピー性皮膚炎のかゆみは、抗ヒスタミン薬でも効果が見られない「難治性のかゆみ」であることが多いことも特徴のひとつとして挙げられます。抗ヒスタミン薬が効かないということは、ヒスタミン以外の要因によって、アトピーは引き起こされるとも考えられています。

ヒスタミン以外のかゆみ物質によるもの

ヒスタミン以外にもかゆみを引き起こすケミカルメディエーター(細胞と細胞の伝達をおこなう化学物質)は多く存在します。たとえば、セロトニン(5HT)、プロテアーゼ、神経ペプチド、脂質代謝産物、サイトカインなどが認められています。

近年ではIL-31、プロテアーゼ活性化受容体-2(PAR-2)アゴニスト、TSLPといった物質もアトピーの難治性かゆみと関連性が高いとされています。

ヒスタミンH4受容体の関与

ヒスタミンには、受け皿として働くたんぱく質があり、それをヒスタミン受容体と呼びます。このヒスタミン受容体にはH1~H4までの4種類の存在が確認されており、近年ではヒスタミンはH4受容体を介することでかゆみが起こることが明らかになりました。

しかし、抗ヒスタミン薬はヒスタミンH1受容体にしか効果を発揮しません。そのため、アトピー疾患による難治性かゆみには抗ヒスタミン薬の効果が見られないという可能性が考えられています。

表皮内の神経線維によるかゆみ

ヒスタミンによるかゆみは、分泌されてから知覚神経と呼ばれる神経線維に作用し、脳にかゆみとして伝わることは前述した通りです。

人間の皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」と構成されています。私たちから見える皮膚、すなわち表皮の最も外側には「角層」と呼ばれる層があります。健康な皮膚である場合、知覚神経は肌の表皮と真皮の間に集まっていますが、アトピー性皮膚炎である場合には神経線維は角層の直下まで伸びてしまっているのです。

そして、表皮内における神経線維に関わるかゆみにはヒスタミンは関与していないことが分かっています。そのため、抗ヒスタミン薬では効果が見られないと考えられているのです。

参考文献:J Environ Dermatol Cutan Allergol,9(1):1-11,2015(アトピー性皮膚炎-かゆみのメカニズム-)

アトピーのかゆみの悪循環に陥る理由

かゆいから…とかきむしると、皮膚炎が悪化し、かゆい→引っ掻く→炎症がひどくなるという悪循環に陥ります。我慢できなくて引っ掻いてしまった皮膚がさらに炎症を起こし、さらにかゆみが増して引っ掻いてしまうという、アトピー性皮膚炎特有の典型的なパターンです。

この悪循環を断ち切るためには、かゆみが起こりやすいパターンを知っておくことが大切なのです。

アトピーかゆみが増すのはこんな時

かゆみを強く感じやすいのは、強い皮膚炎がある時、湯船に浸かった時、服を着脱する時、日焼けした時、布団にはいって体が温まった時、辛い食べ物や刺激物、お酒を摂取した時、ストレスを感じた時などが挙げられます。

引っ掻きすぎると脱毛症になることも

しつこいかゆみがある時は、つい掻いてしまいがち。でも、強く引っ掻くと皮膚炎は悪化してしまい、皮膚のバリア機能が失われて皮が剥ける、血が出るなど症状が現れます。バリア機能が弱まると、アレルゲンがますます入りやすくなるため、少しの刺激に過敏になり、ますますかゆみを感じやすくなってしまうのです。

なかには、頭がかゆくて掻いているうちに毛が抜けてしまい脱毛症になってしまう人や、目の周りを掻いているうちに白内障や網膜剥離を起こしてしまう人もいます。

アトピーのかゆみを抑えるのであれば質の高い睡眠を

かゆみを抑える方法は、実にさまざまなものがあります。

しかし「あらゆる方法を試しても、眠ろうとした途端にかゆみで寝付けない…」。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

それはいまあなたが試している方法が、一時的なかゆみを抑えるものにすぎないからかもしれません。

かゆみを根本から改善するためには、かゆみで眠れなかったり、眠りながら無意識にかきむしってしまっているという「アトピー悪化の悪循環」を止める必要があります。

ここで紹介したかゆみを一時的に抑える方法は積極的に取り入れつつ、しっかりと質の高い睡眠を取り、免疫バランスを整える。

アトピー悪化の原因となる悪循環サイクルを断つことを、ぜひ同時に実践していき、効果的にアトピーを改善させましょう。

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