ひどいアトピーのかゆみを抑える方法

6処方された薬を塗る・飲む

処方された薬を塗る・飲む (イメージ)

アトピーの症状が重い人は、皮膚科等で処方されるアトピー性皮膚炎の治療薬を使って、かゆみや炎症を抑えることができます。アトピーの治療薬は、塗り薬と飲み薬があり症状に適した薬を使用していきます。

薬はあくまで対症療法でアトピーそのものを治す働きはありませんが、症状の悪化を食い止めることができるのです。

アトピー性皮膚炎治療の考え方

症状の程度によって軽微、軽症、中等症、重症の4つに分けられるため、アトピーの改善策や治療方法はそれぞれの段階で大きく変わります。

症状が改善したら1番軽い段階の治療に変更し、症状が悪化したら強い薬を使っていきます。最終的には、日常生活に支障が無いレベルにまで安定させることが目標です。

塗り薬は、いわゆる「ステロイド剤」が一般的で、症状が重い時は強いステロイド剤で炎症をしっかりと抑えていきます。一方、「抗ヒスタミン薬」「抗アレルギー薬」と呼ばれる飲み薬は、かゆみの症状があらわれた時にかゆみ止めとして内服するのが一般的。

かなり重度のアトピー性皮膚炎になり、塗り薬で効果がなくなると、ステロイドの飲み薬や免疫抑制薬の飲み薬(16歳以上のみ使用可能)を使うことになります。

アトピー治療の特徴

  • ステロイド剤(塗り薬)について

    ステロイドはアトピー性皮膚炎の代表的な治療薬で、世界的に共通する治療法です。

    日本ではステロイド=副作用が心配というネガティブなイメージを持つ方も少なくありませんが、炎症を鎮める、免疫バランスを整える働きがあり、効果の高さも立証されています。

    ステロイド剤は、炎症を抑える強さから5段階に分けられ、症状が重い人ほど強い薬を使います。

  • ステロイド剤を塗る時の注意点

    決められた量を守って塗る
    副作用を心配して勝手に塗る量を少なくしたり、使用期間を短くすると、かえって症状が長引いたり悪化したりする恐れがあります。自己判断で薬を中断するのはやめましょう。
  • ステロイド薬の副作用

    飲み薬と違い副作用のリスクは最小限
    飲み薬とは違い、塗った場所だけに作用するので副作用についてはそれほど神経質になる必要はありません。ただし、長期間使用すると皮膚が薄くなったり、血管が網の目状に見えたり、皮膚に変化が現れる可能性もあります。
  • 抗ヒスタミン薬について

    抗ヒスタミン薬はかゆみ止めとして処方される飲み薬です。薬を使うことでかゆみの原因となるヒスタミンを抑制し、かゆみを和らげてくれます。

    即効性があるので、かゆみが我慢できない時はスポットで飲むのがおすすめです。また、アトピーの予防的な観点から抗ヒスタミン薬を使う場合もあります。

  • 抗ヒスタミン薬を飲む時の注意点

    すべての人が効くわけではない
    抗ヒスタミン剤はアトピー治療で使われるポピュラーな薬ですが、すべての人に効くわけではありません。例えば、乾燥とストレスが絡み合ったようなかゆみにはあまり効果は期待できないと言われています。乾燥とは外部からの刺激なので、内部で分泌されたヒスタミンを介していないことが理由として挙げられます。
  • 抗ヒスタミン薬の副作用

    重大な副作用が起こる心配はない
    抗ヒスタミン薬は、ステロイド剤に比べると副作用のリスクは低いと言われています。副作用を挙げるならば、眠気に襲われる、体にだるさを感じるなどです。ほかにも、倦怠感、吐き気、めまい、頭痛などがあると言われていますが、副作用は薬の成分によっても異なります。使う前に、医師や薬剤師にアドバイスをもらっておくと安心ですね。

ステロイドの匂いを抑えるには

ステロイドには独特の匂いがあるため、お出かけのときに気になる方も多いのではないでしょうか?アトピーの症状が重い場合、匂いが気になるからと言って使用をやめられるわけではないので、匂いを抑える工夫が必要となります。

症状にもよりますが、ステロイドを塗るタイミングは、朝・夜の1日2回程度。お出かけ前の朝は薄く塗ると、匂いがあまり気にならなくなります。夜はお風呂上がりに適量を塗るようにしましょう。毛穴が開いているお風呂上がりは薬の吸収率が良いので効果を高められますし、朝になればステロイドの匂いも落ち着くはずです。
ただし、症状の重さによっては朝もしっかり塗る必要があるため、必ず医師に相談した上で塗る量を調整してください。

抗ヒスタミン剤の作用について

ヒスタミンには免疫系からの命令を体内に伝達する働きがあります。受容体と結合することでサインを出し、アレルゲンを体外へ追い出そうと、くしゃみや皮膚のかゆみなどを引き起こします。抗ヒスタミン剤は、ヒスタミンと受容体が結合するのを阻害し、アレルギー反応を軽減してくれます。

ただ、乾燥によるかゆみにはあまり効果がないので、クリームを塗って保湿したり、加湿するといった対応が必要になります。

抗ヒスタミン剤は睡眠改善剤としても用いられる

アトピーの症状に悩む人にとっては、抗ヒスタミン剤は炎症やかゆみを抑えてくれる救世主ですが、抗ヒスタミン剤は別の目的でも使われています。それは、寝つきを良くするための「睡眠改善薬」というものです。医師によって処方される睡眠薬とは違い、一時的な不眠を解消するものです。市販されているので手軽に購入できることから、多くの人に使われています。この睡眠改善薬は、アトピーやアレルギーの治療薬として使われている、抗ヒスタミン剤の副作用から生まれたものです。既にある薬の副作用から、新しい効果の薬が生まれることは珍しいことではありません。

かゆくて眠れない夜には抗ヒスタミン剤が効果的

抗ヒスタミン剤の副作用による眠気は強く、昼間に飲むと仕事や運転に差し支えるほどです。しかし、かゆみのひどくなる夜には最適で、かゆくて眠れない時に飲めば、かゆみも治まり、自然に眠気がくるので深い睡眠に入ることができます。昼間や覚醒していたい時には副作用の少ない薬、夜には抗ヒスタミン剤を飲んで眠りやすくするというように使い分けて、副作用と上手く付き合っていくようにしてください。そうすれば、睡眠時間も確保できて生活リズムが整うようになり、アトピーが根本から改善することも期待できます。

抗ヒスタミン剤と睡眠改善剤の併用は避ける

同じような成分と効果の抗ヒスタミン剤と睡眠改善剤ですが、同時に服用しないように注意しましょう。同一成分の過剰摂取となり、副作用が強くなってしまいます。風邪薬や鎮痛剤など抗ヒスタミン剤と睡眠改善剤は同時に飲まないようにしてください。また、成分や効果が同じ系統だからといって、アトピー症状の緩和のために睡眠改善薬を使用するような適用外の使用はしないようにしましょう。

かゆみに効く抗ヒスタミン薬の種類

アトピーのかゆみにも効果的な抗ヒスタミン薬について、代表的な市販薬を紹介します。

  • スラジンA

    抗ヒスタミン作用を中心に、血管収縮作用のある成分も配合しているため、アトピーを始めとしたアレルギー症状のかゆみ、湿疹によるかゆみなどに効果を発揮します。生薬配合。
  • ムヒAZ錠

    抗ヒスタミン作用のほかにも、抗アレルギー作用、抗炎症作用もあるため、アトピーを含めた様々なかゆみの解消に効果的です。1回1錠で12時間効果が持続。眠気が起こりにくいことも特徴です。
  • アレルギール錠

    抗ヒスタミン作用と抗炎症作用を合わせ持つかゆみ止めです。花粉症の症状緩和にも効果的。ビタミンB6を配合しているため、皮膚の保湿効果もあります。
  • 抗アレルギー錠クニヒロ

    抗ヒスタミン作用、抗炎症作用、ビタミンB6を配合しているため、かゆみの解消効果、および皮膚や粘膜を保護する効果も期待できます。

いずれの市販薬も、習慣的に服用することによって薬効が薄れてくる傾向があります。万が一のときに効果が薄くては困るので、万が一の時に備えた臨時薬として利用しましょう。

参考までに、病院で処方される抗ヒスタミン薬としては、次のようなものがあります。

  • 病院で処方される抗ヒスタミン薬

    ・ザイザル…効果的だが眠気が出やすい
    ・アレジオン…即効性・持続性が高く副作用が軽い
    ・アレグラ…効果・副作用、ともに軽め
    ・ポララミン…即効性・持続性が高いが副作用が出やすい

抗ヒスタミン薬のリスク

市販されているものであれ、病院で処方されるものであれ、抗ヒスタミン剤には副作用があります。ただし、重篤な副作用に襲われるリスクはほとんどないため、過剰に不安になる必要はありません。主な副作用は次の2つになります。

  • 眠くなる

    アトピーの代表的な治療薬の一つ、抗ヒスタミン薬。抗ヒスタミン薬にはかゆみを抑えるなどの様々な効能があるものの、一方で副作用として、猛烈な眠気や作業効率の低下などが指摘されてきました。
    そこで昨今登場した治療薬が、第二世代の抗ヒスタミン薬。従来の抗ヒスタミン薬に比べて副作用が軽減されているため、該当する患者に対しては最初に処方されるべき薬として推奨されています。
    ただ、第二世代の抗ヒスタミン薬とは言え、眠気などの副作用がまったくないわけではありません。体質や年齢などの個人差によっても、副作用の現れ方が違ってきます。
    一般に抗ヒスタミン薬の処方においては、副作用の影響を考慮し、患者に対して医師は自動車運転などの作業を控えるよう指導します。ただ、副作用の現れ方に大きな個人差がある以上、すべての患者に対して画一的な注意を促すよりも、各患者に合った適切な薬を選択することが医師には求められます。
  • だるさ

    全身が疲れたようなだるさに襲われることがあります。猛烈な眠気とあわせて全身がだるくなるわけですから、何もやる気が起きなくなることもあります。出勤前に服用してしまうと、眠気・だるさ・やる気のなさの影響で仕事にならないこともあります。

いずれも重篤な副作用ではありませんが、車の運転や機械操作などの前に服用した場合、事故を起こす危険性があります。服用のタイミングには、くれぐれも注意しましょう。

抗ヒスタミン薬の使用の際は体調管理に注意を

抗ヒスタミン薬の服用後に何らかの事故を起こしてしまった場合、「薬の副作用だったので仕方がない」では済まされません。

2014年に施行された自動車運転致死傷行為処罰法の条項、およびその立法趣旨に照らせば、副作用の影響を予見できながら事故を起こした者には厳しい刑事罰が科せられます。

薬の服用をめぐる体調管理の責任は、原則として服用者本人にあります。抗ヒスタミン薬を服用する場合は、服用後の体調変化によって他者を害する恐れがないかどうかを、自己責任の下で検討する必要があります。

抗ヒスタミン薬は医師に説明義務と適切な患者指導が求められる

処方薬であれ市販薬であれ、抗ヒスタミン薬の副作用の現れ方には個人差があります。そのため自己判断で薬選びをするのではなく、医師に相談のうえご自身の体質に最適な薬を選んでもらうことが大切です。

同時に、医師には選んだ薬の副作用をしっかりと患者に説明する義務があります。副作用のない薬はありません。薬をめぐる体調管理を患者の自己責任の下でできるよう、医師は万全のサポートをすべきでしょう。

アトピーのかゆみを抑えるのであれば質の高い睡眠を

かゆみを抑える方法は、実にさまざまなものがあります。

しかし「あらゆる方法を試しても、眠ろうとした途端にかゆみで寝付けない…」。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

それはいまあなたが試している方法が、一時的なかゆみを抑えるものにすぎないからかもしれません。

かゆみを根本から改善するためには、かゆみで眠れなかったり、眠りながら無意識にかきむしってしまっているという「アトピー悪化の悪循環」を止める必要があります。

ここで紹介したかゆみを一時的に抑える方法は積極的に取り入れつつ、しっかりと質の高い睡眠を取り、免疫バランスを整える。

アトピー悪化の原因となる悪循環サイクルを断つことを、ぜひ同時に実践していき、効果的にアトピーを改善させましょう。

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