ひどいアトピーのかゆみを抑える方法

2スキンケアで徹底的に保湿

スキンケアで徹底的に保湿(イメージ)

アトピーの人の肌は基本的にドライスキンで皮膚のバリア機能が低下している状態。そのような状態を放っておくと、ちょっとした刺激でも「かゆみ」を誘発するようになります。

アトピーのかゆみを抑えるためには、“常に肌を保湿する”ことが大切。そのためにも、アトピー肌に有効なスキンケアを覚えておきましょう。

かゆみ対策の基本は肌の保湿

アトピー性皮膚炎は、症状が軽くてもかゆみを伴います。アトピーの人は皮膚が乾燥したドライスキンの状態なので、ただでさえかゆみを感じやすく、汗や汚れに対するかゆみ反応が敏感になっているのです。かゆみを取り除かないと皮膚炎を起こし、更にかゆみを増幅させることになってしまいます。

アトピー対策の方法のひとつとして、しっかりスキンケアを行い、かゆみを抑えるようにしましょう。

保湿スキンケアの重要性

日本皮膚科学会による『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』にも以下の記述があります。

アトピー性皮膚炎では角層の水分含有量が低下して皮膚が乾燥し,皮膚バリア機能の低下をきたしている[中略] 乾燥した皮膚への保湿外用薬(保湿剤・保護剤)の使用は,低下した角層水分量を改善し,皮膚 バリア機能を回復させ,皮膚炎の再燃予防と痒みの抑制につながる

出典: 『日本皮膚科学会ガイドライン アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016 年版』日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会

つまり、スキンケアが重要だということ。皮膚が乾燥すると炎症やかゆみが生じやすくなるだけでなく、アトピー性皮膚炎の状態を悪化させたり、炎症を引き起こすアレルゲンが侵入しやすい状態になります。こうなるとアレルギーの原因になるものが皮膚に入ることによってアレルギーを発症する「経皮感作」と呼ばれるものが発生したり、更なる炎症を起こすことがあるのです。

肌の保湿をする方法はいろいろありますが、保湿剤や保護剤といった保湿外用薬を使った方法が効果的といえます。これらの薬は水分量が低下している角質に潤いを与え、バリア機能を改善させる効果があるほか、皮膚炎の再燃予防とかゆみの抑制にもつながるのです。

それから、抗炎症作用を持った外用薬を使う場合、皮膚炎が改善してからも使用を続けることにより状態が落ち着いている肌を保つ働きもあります。もしも治療中に再度皮膚炎がみられた場合には、程度に応じてステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を使うことも効果的です。

ただし、保湿外用薬の副作用として何らかの物質が皮膚に接触することによって発症する急性の皮膚疾患「接触皮膚炎」が発生することもあるため、信頼できる医師のもとで治療を受けなければなりません。

まずは皮膚を清潔に保つこと

スキンケアの前に、皮膚を清潔に保つことが大前提です。皮膚が汚れ、毛穴が詰まったところにいくらスキンケアで潤いを与えても、保湿成分は入り込みません。それどころか、細菌が繁殖してしまい、さらに炎症を悪化させてしまいます。

毎日の入浴・シャワーを心掛け、汗や汚れはその日のうちに洗い落とすようにしましょう。できれば、1日2回~3回の入浴・シャワーが理想です。

洗浄力の強い石鹸やシャンプーは避ける

肌を清潔に保つのが大切とはいえ、洗浄力の強い石鹸やシャンプーは必要な皮脂まで一緒に洗い落としてしまい、さらなるドライスキンを招いてしまいます。

シャンプーは、アミノ酸系の優しい洗浄成分が配合されたものを選ぶようにしましょう。

入浴・シャワー後は保湿剤でケア

入浴・シャワーの後は保湿剤を塗り、皮膚を乾燥から守りましょう。保湿剤を使うタイミングは、1日の中では入浴後がもっとも効果的です。

保湿剤は市販のもので問題ありません。アミノ酸やグリセリン、尿素など、外気の水分を吸着するタイプや、コラーゲンエラスチン、ヒアルロン酸などの高い保湿力を誇るもの、セラミドやレシチンなど水分を挟み込んで保持する保湿剤などがあります。

中でもアトピー肌に効果的なのは、水分を挟み込んで保持する油分タイプの保湿剤です。膜を作って肌の中に水分を閉じ込めるため、高い保湿効果があります。代表的なのはワセリンやホホバオイル、シアバターなどですね。

保湿力が優秀な油分タイプの保湿剤ですが、ベタつきが肌への刺激になることも。アトピーの症状が酷い人にとっては、かゆみを誘発する原因の1つになります。パッチテストをして肌に合わないと感じた場合は、刺激の少ないものに変えましょう。低刺激を求めるなら、外気の水分を吸着するタイプの保湿剤がおすすめです。

入浴後は、粉吹きが見られる・脂ぎっている・軽い発疹が見られる箇所へ保湿剤をやさしく塗ってください。悪化させる恐れがあるため、強くすり込んだり炎症が酷い箇所へ塗ったりするのはNGです。

保湿外用薬を使う

保湿外用薬は医師に処方してもらうか、薬局でも購入することができます。

保湿外用薬は軟膏、クリーム、ローションなどがあり、季節や個人の好みによって選んでしまって構いません。大切なのは保湿を継続させることなのです。

アトピー性皮膚炎は炎症が見られなくても乾燥状態にあるので、範囲に塗るのがポイント。塗り薬を少し多めに取って、塗り残しがないよう隅々まで広げましょう。コツは手を横にスライドさせて塗ること。横に塗れば薬が深層部まで浸透するため、より高い保湿効果を得られます。 炎症が悪化している箇所には、外用薬を塗った上からステロイド外用薬やプロトピック軟膏を塗りましょう。

保湿剤外用の効果について

アトピー性皮膚炎の治療で保湿剤を使うこともあります。ただ、皮膚炎の症状がある場合には保湿剤のみを使用したとしても高い効果は期待できないため、一般的にはステロイド外用薬と併用することになるでしょう。

肌をしっかり保湿することにより表皮のバリア機能が高まります。実際に保湿剤の外用によって乾燥症状が軽減されただけでなく、バリア機能も改善されたという研究報告もあるので、アトピー性皮膚炎に悩んでいる方はしっかり保湿に力を入れてみましょう。

また、ステロイド外用薬は極力使いたくないと思っている方もいるのではないでしょうか。そういった方も保湿に力を入れるべきです。保湿外用薬を取り入れることによりステロイド外用薬の量が減らせたという方もいるので、肌の潤いを高めることは非常に重要なポイントです。

もちろん、ステロイド外用薬を処方されているのに、個人の判断で保湿外用薬のみで治療を行っていくのは好ましくありません。必ず医師に相談をしながら、皮膚状態をしっかりと見極めてもらって対応していきましょう。

参照: 『日本皮膚科学会ガイドライン アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2016 年版』日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会

基礎化粧品は保護サポート成分が配合された化粧品を取り入れる

肌トラブルの原因となる菌にアプローチするために、肌の潤いを保護する成分を摂取するように心がけましょう。

化粧水はお風呂から上がって最初に肌に触れる保湿液。そのため、抗菌作用のあるティーツリーオイルやホホバオイルが入っているものを選ぶと良いでしょう。肌への刺激を考えるなら水溶性保湿成分が含まれている化粧水、炎症を抑えたいなら甘草エキスを配合しているものがおすすめです。

保湿成分が蒸発しないように蓋をする役割のクリームは「セラミド」を含むものが◎。油溶性保湿成分なので、汗や衣服の擦れで効果が薄れないメリットがあります。

また、荒れた肌に摩擦は禁物。肌の奥まで浸透させようと化粧水・クリームをパンパンと叩き込む人がいますが、それはNG行為です。

少しの摩擦でも刺激となりバリア機能が乱れてしまうため、化粧水はローションタイプなど伸びがよく広範囲にわたってつけやすいものを選ぶのがおすすめ。冷たさも刺激になるので、優しくそっと、手のひらで温めてから塗ると良いでしょう。

アトピーのかゆみを抑えるのであれば質の高い睡眠を

かゆみを抑える方法は、実にさまざまなものがあります。

しかし「あらゆる方法を試しても、眠ろうとした途端にかゆみで寝付けない…」。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

それはいまあなたが試している方法が、一時的なかゆみを抑えるものにすぎないからかもしれません。

かゆみを根本から改善するためには、かゆみで眠れなかったり、眠りながら無意識にかきむしってしまっているという「アトピー悪化の悪循環」を止める必要があります。

ここで紹介したかゆみを一時的に抑える方法は積極的に取り入れつつ、しっかりと質の高い睡眠を取り、免疫バランスを整える。

アトピー悪化の原因となる悪循環サイクルを断つことを、ぜひ同時に実践していき、効果的にアトピーを改善させましょう。

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